メッセージ:2009年1月〜3月
     

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関西フィル第209回定期(3/27)に向けて その2
『ワルキューレ』 (第1幕)〜歌手・オケ合わせ〜

−飯守泰次郎−

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巨大なオーケストラ
巨大なオーケストラ

飯守泰次郎です。連日、関西フィルの第209回定期(3/27)のリハーサル中です。

ワーグナーの『ワルキューレ』は、4日かけて上演される超大作『ニーベルングの指環』の2日目にあたる作品です。

『指環』は、ワーグナーの思想をもりこんだ総決算ともいえる、権力と愛をめぐる巨大な4部作で、内容もオーケストラの規模も壮大です。
その中でこの『ワルキューレ』は人間の内面の問題、特に愛を中心とする物語です。音楽は抒情的で、ワーグナーにあまりなじみがない方でも親しみやすい面があり、特に今回演奏する第1幕はヨーロッパでもよく演奏会形式でとりあげられる、まさに名場面です。

現代社会に生きる私たちの内面はさまざまな危機に瀕していますが、『ワルキューレ』は人間共通の感情を蘇らせてくれる素晴らしい作品なのです。

ワーグナーの楽劇は1幕通すのも大仕事
ワーグナーの楽劇は1幕通すのも大仕事

関西フィルとは約10年以上かけて、モーツァルト、ベートーヴェン、ウェーバー、R.シュトラウス、ツェムリンスキー、など多くのドイツ・オペラをともに手がけてまいりました。

そしていまここに、ワーグナーの楽劇の1幕全部を通して演奏できる日を初めて迎えます。
このコンサートを支えるすべての皆さんが、全力を尽くし一生懸命取り組んでくださっています。きっと素晴らしい演奏会をお聴かせできるでしょう。

 
飯守泰次郎

 

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関西フィル第209回定期(3/27)に向けて
『ワルキューレ』 (第1幕)〜歌稽古〜

−飯守泰次郎−

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ソリストとピアノ稽古
ソリストとピアノ稽古

飯守泰次郎です。関西フィル第209回定期演奏会(3/27)では、いよいよ関西フィルと『ワルキューレ』第1幕を演奏会形式で上演します。

この公演に向けて、ソリストとのピアノ稽古はすでに2ヶ月前から始めています。

ジークリンデの畑田弘美さん、ジークムントの竹田昌弘さん、フンディングの木川田澄さんは、これまでも関西フィルとのオペラ・シリーズに数多く出演していただいています。
まさに私の考える関西随一のキャストであり、絶大な信頼を寄せている方々なのです。

今日は、オーケストラと合わせる前の最後のピアノ稽古をしました。
実は他にも写真を撮りましたが、私自身の動きが激しいために、ホームページに掲載できるものがなかなか撮れません。今日はこの1枚きりですが、非常に熱が入ってきている稽古の様子を少しでもお伝えできるよう願っています。

 
飯守泰次郎

 

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ホームページをご覧の皆様へ
狛江エコルマホール フレッシュ名曲コンサート
「ドラマティック・チャイコフスキー」(3/14)にむけて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。狛江エコルマホールでのコンサート(3/14)に向けてリハーサルをしております。

小田急線の狛江駅前すぐ、という便利なところにあるこのホールとは、もう10年以上のお付き合いで、毎年のようにコンサートをしています。私は以前に長く狛江に住んでおりましたので、今でもとてもなつかしく、毎回楽しみにしています。

今回は、オール・チャイコフスキーという思い切ったプログラムで、しかも聴く機会の多い交響曲や協奏曲ではない、一味違った組み合わせです。もともと私はロシア音楽が大変好きで、指揮するときは気をつけないと興奮しすぎる傾向があります。
ロシア音楽は必ず、想像を絶する広がりを持つ大陸と自然、そして独特の劇的な歴史を感じさせます。私がロシア音楽にひときわの愛着を感じるのは、もしかしたらロシアに近い満州で生まれ育ったことと関係があるのかもしれません。


まず幻想序曲「ロミオとジュリエット」は、シェイクスピアの有名な悲劇の愛の物語による、非常にドラマティックでしかも情熱的な曲です。私にはロシアの歴史の悲劇的な面が重ね合わせて聞こえるような気がします。

「ロココの主題による変奏曲」は、うってかわってとても親しみやすいテーマによる変奏曲です。チェロ独奏の上村文乃さんは若く素晴らしい才能の持ち主です。この曲独特のチェロの超絶技巧による変奏が余すことなく表現されることでしょう。

休憩のあとは、バレエ音楽「白鳥の湖」からの抜粋です。ふだんは抜粋といっても数曲ですが、今回は普段の組曲版ではあまり聴く機会のない数々の名曲を含め10曲あまりをとりあげます。バレエなしのオーケストラだけで、純粋に音楽的に、「白鳥の湖」の今までと違った素晴らしさを十分にお楽しみいただきたいと思います。

幸福感に満ちた「ロココの主題による変奏曲」をはさみ、最初と最後の2曲はいずれも心を打つ愛の悲劇の物語、という今回のプログラムは非常に珍しい組み合わせです。ぜひ、皆様のお越しをお待ちしております。

飯守泰次郎

 

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関西フィル いずみホールシリーズVol.14
「ベートーヴェンの森へ」(2/27)にむけて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。関西フィルのいずみホールシリーズ(2/27)を控え、大阪でリハーサルをしております。

ブラームスのヴァイオリン協奏曲のソリスト、梁美沙さんとは、2001年に関西フィルの定期で共演して以来です。
あのときはブルッフの協奏曲で、彼女はまだ14歳でしたが、才能というものは年齢を超える、と感じさせる、内容の伴ったまさに大人の演奏で、深く胸を打たれました。
今はフランスで勉強を続けているということで、ちょうど、ブラームスの協奏曲という作品にふさわしい時期に達していることは容易に想像ができます。共演を大変楽しみにしています。


「英雄」は、ベートーヴェンのいわゆる名曲ですが、まさに時代を変えた作品です。
1800年代に入り、作曲家の強い思想と哲学によって音楽が押し進められるようになっていく、その第一歩ともいえる革命的な作品です。ベートーヴェンの内面で、交響曲第2番のあとで何か劇的な革命が起き、彼は何かを獲得したのです。私が目指しているのは、時代を変えたこの作品の革命的な姿を、みなさまにお伝えすることです。

いずみホールは、大変素晴らしい音響をそなえた、中型の美しいホールです。良い響きのなかで、関西フィルとともに良い演奏ができることを期待しています。

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィル定期「天地創造」にむけて
〜東京シティ・フィル・コーアとともに〜
−飯守泰次郎−

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東京シティ・フィル・コーアと
東京シティ・フィル・コーアとリハーサル

飯守泰次郎です。東京シティ・フィル第226回定期演奏会(2/20)では、ハイドンのオラトリオ「天地創造」を演奏します。

「天地創造」は、ハイドン晩年の大作で、聖書にもとづく作品です。まさに題名が示すとおり、聖書の一番最初の創世記「光あれ!」から始まって、無から天地が創造され、自然と、動物と、最後に人間が創造され、演奏時間も2時間近くかかる、スケールの大きなオラトリオです。
敬虔なキリスト教徒であったハイドンの素晴らしい信仰と創造性という、よく知られる“交響曲の父”とは別の側面が見事に発揮されています。

以前、2002年の定期“ハイドン/ブラームス・シリーズ”のしめくくりに「天地創造」を演奏したときも、発足まもない東京シティ・フィル・コーアが歌いました。今回改めて同じ作品を練習していて、この間にこの合唱団がどれほど素晴らしく成長してきたか実感しています。

東京シティ・フィル・コーアは発足9年目を迎えました。毎年一緒に続けてきた年末の第九をはじめ、モーツァルト「レクイエム」、メンデルスゾーン「聖パウロ」「賛歌」「エリアス」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」、ヴェルディ「レクイエム」、マーラー「復活」、ホルスト「惑星」それから矢崎彦太郎氏の指揮のフランス音楽など、レパートリーも非常に充実し豊かになっています。

「天地創造」は、ハイドンの多くの作品のなかでも最も迫力がある偉大な作品です。それだけに、練習には多大な時間とエネルギーが必要です。私たちはいま、最後の仕上げにとりかかっているところです。

 
飯守泰次郎

 

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札幌交響楽団第515回定期演奏会によせて

−飯守泰次郎−

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指揮者室の窓辺にて
指揮者室の窓辺にて

みなさんこんにちは、飯守泰次郎です。札幌交響楽団の定期演奏会(1/23、24)で北海道に滞在しています。

札幌交響楽団の練習場は、札幌市郊外の「芸術の森」というところにあり、クリスマスツリーが飾られています。指揮者室の窓の外も、ごらんのとおり最高の雪景色です。

今回の演奏会プログラムは、非常に変わった組み合わせの3曲です。

まず最初にワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲。

それから、日本の国民楽派ともいうべき伊福部昭さんの「ピアノとオーケストラのための“リトミカ・オスティナータ”」で、日本の古い音楽のなかの野性的な伝統に根ざした、難曲中の難曲として知られている作品です。
ソリストの横山幸雄さんは、いわゆるヴィルトゥオーゾで、しかも深みを兼ね備えたピアニストで、それだけでなくソムリエとしても知られています。ワインだけでなく料理その他いろいろなことを深く知らなければソムリエにはなれません。この難曲を横山さんと共演でき、私は大変楽しみです。


横山幸雄さんと
横山幸雄さんと

そして3曲目はうってかわってフランスのサン=サーンスの「交響曲第3番“オルガン付”」です。

このまったく違う3つの音楽を組み合わせたところが今回のプログラムの魅力で、演奏する側は大変ではありますが、札響の反応は素晴らしく、それぞれの音楽の良さを見事に表現してくれます。

「芸術の森」のような素晴らしい環境のなかでいつも音楽を培っている札響が、うらやましいような気持ちがいたします。

 
飯守泰次郎

 

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オランダの冬

−飯守泰次郎−

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フランドル絵画そのものの風景
フランドル絵画そのものの風景
 


年末年始の休暇はヨーロッパでひとときの骨休めをして過ごしました。
お届けしている写真は、オランダに滞在し、昔この国で長く暮らした頃の思い出を楽しんでいるところです。
オランダは、ブリューゲルの絵で知られるように、光が非常に特別です。遠くの木、森の影、すべてが美しく映ります。まさに絵画のような典型的なオランダの冬の風景です。


ワンちゃんを膝に乗せて
ワンちゃんを膝に乗せて
この国では、クリスマスが終わっても室内の飾りや照明を1月のはじめ頃までそのままにして、家族で静かに余韻を楽しみます。
ひざに乗せているのは友人の愛犬です。クロチャンは東京で留守番なので、私はこのワンちゃんを可愛がるのです。

足元がおぼつかずヒヤヒヤしながら私が立っているのは、凍結した運河の氷上です。この写真ではよく見えませんが、周囲の他の人は氷上に椅子などを持ち出したり、スケートを楽しんだりしているのに比べ、私はいかにもこの地に属さない人間という態ですね。

氷上にて
氷上にて

 

最近は地球温暖化の影響で以前ほど寒くはなくなってきましたが、今年のオランダは久しぶりに厳しい冬で、寒い冬を好む私は身震いするほどの寒さを満喫しました。

 
飯守泰次郎

 

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明けましておめでとうございます〜2009年1月1日

−飯守泰次郎−

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牛の頭を撫でる
今年もよろしく
 

ホームページをご覧くださっている皆様、明けましておめでとうございます。

昨年より、皆様に私の活動をお伝えできる新たな交流の場であるホームページをオープンすることができました。記事をごらんいただいている方々とお話が弾むことも増えて、私も嬉しく思っております。

今年も、Concertのコーナーでご案内しております様々なコンサート会場で、そしてまたこのホームページで、皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。

 
飯守泰次郎


 
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