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私は、子供たちのために演奏することがとても大事である、と心に銘じています。実際のところ、私自身とても楽しい経験をしており、子供のために演奏するのがとても好きなので、時には厳しいスケジュールであっても、できるだけ子供たちのためのコンサートをしたい、といつも思っています。 このびわ湖ホールの「子供のための管弦楽教室」は、とても自由な雰囲気をもった積極的な企画で、私もこれまでも何度か指揮しました。いつも「ここに来てよかった」と心から思います。 今回のプログラムは、アンダーソンやヨハン・シュトラウス、あるいはピアソン作曲の楽しいリズム遊び「ヒップス・リップスII」、さらにワーグナーの「ローエングリン」第3幕への前奏曲、「ワルキューレの騎行」など、小編成から大編成に至る、とてもバラエティに富んだプログラムです。 |
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飯守泰次郎 |
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ティアラこうとうジュニアオーケストラは、東京シティ・フィルと芸術提携を結んでいる江東区のティアラこうとうで2006年からスタートした、小学生から高校生までのオーケストラです。
半年ぶりに一緒に練習ができて、オーケストラ全体の人数が増え、水準もとても高くなっていることに驚きました。 |
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飯守泰次郎 |
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10年がかりの無謀なプロジェクトではありますが、関西フィルとともに重ねてきたドイツ・ロマン派を中心とする音楽の経験と表現力は、ブルックナーの交響曲に取り組むうえで大きく活かせるものであると思います。おかげさまで第1番(2011年)、第2番(2012年)とも、非常に良いコンサートができ、高い評価をいただくことができました。 今年は第3夜として、3/15に第3番を演奏します。この交響曲は、ブルックナーがワーグナーに献呈した作品であり、「ワーグナー」というタイトルで呼ばれています。
ブルックナーは、これほど偉大な一連の交響曲を残していながら、大作曲家としては非常に稀なことに、自作に絶対的な自信というものを持っていませんでした。批判を受けるとすぐ書き直してしまいました。 しかし今回私は、あえて第1稿をとりあげます。たしかに長すぎるかもしれません。音楽の内容も、はっきりとまとまっていない、模索のような部分が残っています。しかし、それだけにブルックナーの人柄がよく表れているように思われるのです。正直で、従順で、敬虔で、自信のない彼の性格は、ついに終生変わることがありませんでした。この第3番の第1稿には、そういうブルックナーらしさが色濃く感じられるのです。 |
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飯守泰次郎 |
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ベートーヴェンは、東京シティ・フィルと私が長年取り組んできた作曲家です。13年前はベーレンライター版を使った全交響曲ツィクルスを行い、このときの交響曲全集のCDはその後再発売もされました。2年前にはマルケヴィチ版による全交響曲ツィクルスで、こちらも全集CDを出しました。この2度のツィクルスが、オーケストラにとっても私にとっても、非常に重要な、豊かな経験になっています。 これらの経験をふまえて、今回は、どちらかといえばマルケヴィチ版の方向性に近い演奏になると思います。やはり、古典派からロマン派へ大きく流れを変えた改革者たるベートーヴェン像というものを、私は強調したいと考えております。 「運命」のような名曲は、演奏回数が大変多く、楽員もすっかり暗譜で弾けるほどであるだけに、よほど気を付けないと、ただの慣れで演奏することになってしまいます。本当に自分の信じる内容を表現するには、非常に注意深く意識することが必要であり、私もオーケストラも、その点を特に慎重に取り組んでいるところです。 ブルッフのコンチェルトでは、大変久し振りに前橋汀子さんとご一緒できることをとても嬉しく思います。彼女とは桐朋学園時代、お互いにまだ学生だった頃から、試験のピアノ伴奏、あるいはコンサートでもよく伴奏をしてきました。長いお付き合いなので、リハーサルでもとても理解しやすく感じられます。 さて、ベートーヴェンの「運命」は古典派、ブルッフはロマン派、そしてコンサートの最初に演奏する「禿山の一夜」は、一時代進んで国民楽派の音楽です。 この都民芸術フェスティバルは、音楽のみならず、幅広く舞台芸術の観客の拡大をはかるために、東京都および東京都歴史文化財団によって昭和43年から毎年行われている催しです。 |
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飯守泰次郎 |
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さっそくですが本日、今年最初のコンサート「岡山フィルハーモニック管弦楽団設立20周年記念 ニューイヤーコンサート」を指揮いたします。
ラフマニノフのソリスト、松本和将さんとご一緒するのもやはり3度目です。とても若々しく、力強い演奏を聴かせてくださるので、明日の共演が非常に楽しみです。 |
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飯守泰次郎 |
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