メッセージ:2014年10月〜12月  

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
「第九」特別演奏会(2014/12/28)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。12/28は、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の第九特別演奏会です。

シティ・フィルの第九特別演奏会は、毎年、東京文化会館で開催されています。通常の第九の演奏会では、第九の前に序曲など短めの曲を演奏することが多いのですが、シティ・フィルのこの特別演奏会は第九のみのプログラムであり、演奏者も聴衆も第九に集中できる良さがあると思います。

シティ・フィルとは、ベートーヴェンの交響曲ツィクルスを2度完結しており、それぞれマルケヴィチ版(2010〜2011年)、ベーレンライター版(2000年)、という異なるスタイルで取り組みました。このことは、オーケストラにとっても私にとってもかけがえのない貴重な経験であったと改めて実感しています。

久しぶりにシティ・フィル・コーアと共演できることも大きな喜びです。オーケストラと合唱の相互の確かな信頼関係と、音楽的な共感の深さは、まさに時間をかけて培われたかけがえのない価値です。ソリスト陣も、並河寿美さん、坂本朱さん、望月哲也さん、黒田博さんという大変豪華な最高のヴェテランをお迎えいたします。

今回は、広い東京文化会館が全席完売ということで、聴衆の皆様のご期待もひしひしと感じております。皆様のお越しを心からお待ち申し上げております。

 
飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団「第九」特別演奏会(2014/12/20)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。12/20は仙台フィルハーモニー管弦楽団「第九」特別演奏会を、東京エレクトロンホール宮城(仙台市)で指揮いたします。

約200人という立派な合唱団は、「仙台フィルと第九をうたう合唱団」に、東北大学混声合唱団と常盤木学園高等学校音楽科混声合唱団の有志が加わり、若い人から経験豊かな方々まで、非常に色々な世代が集まっています。合唱指導の佐藤淳一さんのもと、音程が美しく、迫力もある、素晴らしい合唱団です。
ソリストは、ソプラノが大山 亜紀子さん、メゾ・ソプラノが富岡 明子さん、テノールが小原 啓楼さん、バリトンが萩原 潤さん、と頼もしいベテランが揃っています。
仙台フィルとは今年の春にベートーヴェンのプログラムを演奏したばかりです。今回も大変意欲的で、エネルギーに満ちているので、本番が大変楽しみです。

皆様のお越しをお待ちしております。

 
飯守泰次郎

 

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読売日本交響楽団
名曲シリーズ 福岡公演(2014/12/12)および
多治見特別演奏会(12/11)、下松市制75周年記念演奏会(12/13)によせて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。年末が近づき、皆様もお忙しくお過ごしのことと思います。私は、読売日本交響楽団と三日連続の公演ツアーに来ております。
本日、岐阜県多治見市での「読売日本交響楽団多治見特別演奏会」(多治見市文化会館)を終え、明日12/12は博多に移動して「読売日本交響楽団名曲シリーズ」の福岡公演として博多のアクロス福岡シンフォニーホールで指揮いたします。この博多の名曲シリーズは、毎年のようにチケットが売り切れる大変な人気で、今年もすでに全席完売だそうです。満員のお客様をお迎えして演奏することほど、嬉しいことはありません。

今回のツアーは、まず1曲目がワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲、そして仲道郁代さんの素晴らしい独奏でベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』、後半は交響曲第5番『運命』という、最高の名曲を揃えたプログラムです。

読売日本交響楽団とのお付き合いも、もう50年ほどになります。まだ若い頃に副指揮者を経て正指揮者を務め、近年も定期演奏会や名曲コンサートなどでたびたび共演しています。
特に2012年の東京二期会『パルジファル』で一緒にピットに入り、猛暑の中で長い時間を共にしたことは、お互いをより深く理解する貴重な経験となりました。

読響は、重厚で輝かしい響きを持ち、しかも大変パワフルな、本当に素晴らしいオーケストラです。その実力のあるオーケストラが、しかも、今日の多治見の公演もそうであったように全身全霊で本当に全力を尽くして演奏するのです。オーケストラが視覚的にも波打つほどの迫力ですから、音楽が客席に伝わらないわけがありません。今日の多治見のお客様も、大変熱気に溢れた反応をしてくださいました。

ツアー公演では、プログラムは同じでも、毎日違うコンサートホールで演奏することになりますので、その都度、響きを新たに確認して調整するという難しさもありますが、毎日新しいお客様にお聴きいただけることは、私たちにとっても非常に大きな喜びなのです。
博多の翌日12/13は山口県下松市に行き、「下松市制施行75周年記念・スターピアくだまつ名曲シリーズXIII 読売日本交響楽団演奏会」として、同じプログラムを演奏いたします。

ご近隣の皆様のお越しをお待ちしております。

 
飯守泰次郎

 

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2014年名古屋二期会定期オペラ公演
オペレッタ『こうもり』(2014/12/6、7)
によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。 12月6日と7日は、名古屋二期会定期公演で『こうもり』を指揮いたします。
名古屋二期会とは、ニューイヤーオペラコンサートや、『ドン・ジョヴァンニ』(2007年)など、かれこれ10年以上にわたり共演を重ねています。ピットには今回も、優秀な若い演奏家を集めた名古屋二期会オペラ管弦楽団が入ります。

『こうもり』は、オペラのみならずあらゆるクラシック音楽の中でも特別な作品です。とかく、オペラあるいはクラシック音楽というと“文化”、“芸術”、“高尚”というイメージが敷居の高さにつながってしまうところがありますが、ヨハン・シュトラウスの音楽、中でもこの『こうもり』は、そのような敷居を軽々と乗り越える魅力に溢れています。何の予備知識なしに、ただ『こうもり』を観るだけで、誰もが心から楽しむことができ、西洋音楽の素晴らしさを満喫することができるのです。

名古屋では、私が最初に常任指揮者を務めた名古屋フィル時代からのファンの方々が熱心に応援してくださることも、大変心強く思っております。

愛知県芸術劇場で、皆様のお越しをお待ちしております。

 
飯守泰次郎

 

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京都市交響楽団第585回定期演奏会(2014/11/23)によせて
−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。このMessageコーナーをご覧くださる皆様に、しばらくの間ごぶさたをしてしまって申し訳ありません。 11/23は、京都市交響楽団の定期演奏会を指揮いたします。

プログラムの前半はワーグナーの作品から歌劇『さまよえるオランダ人』序曲、「ジークフリート牧歌」、そして歌劇『リエンツィ』序曲、休憩の後はブラームスの交響曲第4番ホ短調という、重量級のコンサートです。

後期ロマン派の当時、ワーグナー派とブラームス派の間に激しい対立があったことはよく知られています。
ワーグナーの創作活動は生涯を通じて歌劇、楽劇といった劇音楽の分野に集中しており、交響曲は1曲しか作曲していません。
一方、ブラームスは歌曲や宗教曲などの優れた声楽作品はありますが、オペラは1つも書いていません。ブラームスはドイツ・ロマン派の中でも形式を非常に重んじ、ウィーン古典派の伝統を受け継いで、交響曲、協奏曲、そして数多くの器楽曲や室内楽を残しました。

このように、たしかにワーグナーとブラームスは対照的ではありますが、しかし当時の対立は、二人の間ではなく彼らを取り巻く人々によるものが主だったのではないかと私は思います。
本人どうしは互いのことを認め合っていたようなふしもあり、天才というのはそういうものではないでしょうか。

京都市交響楽団とは、『パルジファル』(2000年、関西二期会公演)、『ラ・ボエーム』(2009年、関西二期会)のピット、それから2008年には定期演奏会でR.シュトラウスなどのプログラムでもご一緒してきました。
昨年、滋賀県のこどもたちを対象に、びわ湖ホールで6回の公演を共演したことは、特に鮮烈な印象に残っています。「アルルの女」「剣の舞」「ハンガリー舞曲」「ワルキューレの騎行」などで構成された同じプログラムを6回も演奏したのですが、京都市響の皆さんはつねに真摯に生き生きと演奏してくださり、私も毎回非常に新鮮な喜びを感じておりました。

今回は、京都市響の本拠地である京都コンサートホールでの定期演奏会ですので、私もさらに楽しみにしております。紅葉の美しい京都で、皆様のお越しをお待ちしております。

 
飯守泰次郎

(※お知らせ:この公演は全席完売しております)

 
 
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