メッセージ:2016年4月〜6月  

タイトル枠上
タイトル枠左

ホームページをご覧の皆様へ
新国立劇場『ローエングリン』(2016/5/23・26・29・6/1・4)によせて

−飯守泰次郎−

タイトル枠右

タイトル枠下

 
通し稽古(第2幕)
『ローエングリン』初日の楽屋で、タイトルロールのクラウス・フロリアン・フォークト氏と
 

飯守泰次郎です。 新国立劇場の『ローエングリン』が5/23に開幕し、全5公演のうち2公演を終えたところです。

今回のキャストは、大変素晴らしい方が勢揃いしています。 タイトルロールのクラウス・フロリアン・フォークト氏は言うまでもなく、まさに世界最高の『ローエングリン』たる歌唱をされています。それでいて、全くそのようなことを感じさせず、とても気楽に話を交わせる、ごく自然で飾らない素晴らしいお人柄です。

公演は残り3回で、もしかしたらまだ切符も少しあるかもしれません。お客様の中には「5回全部聴きに来ます!」とおっしゃる方もいて、嬉しい驚きです。 それでは、新国立劇場のピットで皆様をお待ちしております。

 
飯守泰次郎

 
タイトル枠上
タイトル枠左

ホームページをご覧の皆様へ
新交響楽団第233回定期演奏会
<創立60周年シリーズ-2>(2016/4/10)によせて

−飯守泰次郎−

タイトル枠右

タイトル枠下
 

栗山文昭氏、安井陽子さん、池田香織さんと(4/10本番終演直後撮影)
栗山文昭氏、安井陽子さん、池田香織さんと
(4/10本番終演直後撮影)
飯守泰次郎です。 4/10は、新交響楽団の創立60周年シリーズの第2回にあたる、記念すべき演奏会を指揮いたします。

新響は、アマチュア・オーケストラの中でも特別に長い素晴らしい歴史を持つオーケストラです。私は、1993年以来、新響と定期的に長くお付き合いしており、今回で26回目の共演(新響の主催演奏会では24回目)の共演になります。
創立40周年(1996年)の『ワルキューレ』第1幕(演奏会形式)、創立50周年(2006年)の『トリスタンとイゾルデ』(同)など、重要な節目の演奏会は、やはり特に記憶に残っています。

創立60周年を迎える今回は、新響の活動のひとつの柱である邦人作品から別宮貞雄「二つの祈り」、そしてマーラーの交響曲第2番「復活」という組み合わせです。このプログラムを選んだということは、今後もさらに発展していきたい、という新響の強い決意の表れであると思います。

「復活」のソリストには、安井陽子さんと池田香織さんという、私が特に信頼するお二人をお迎えでき、とても嬉しく思います。
栗山文昭氏が指導する栗友会合唱団は大変優秀で、「復活」で要求される高い水準と深い内容を見事に表現できる合唱団です。

「復活」は、マーラーの中でも最大級の作品です。ソリスト、巨大編成のオーケストラ、大人数の合唱団が、総力を結集しなければなりません。同じ大曲でもワーグナーであれば、楽譜をすべて忠実に指定どおり演奏すれば、作曲家の意図した表現が実現できるように書かれています。しかしマーラーの作品は極めて繊細であり、楽譜の背後にある心理学的な内容を掴んで表現しなければマーラーらしくならないのです。

60周年にふさわしい演奏ができるよう、私も新響の皆さんと力を合わせたいと思います。

 
飯守泰次郎

 

タイトル枠上
タイトル枠左

ホームページをご覧の皆様へ
新国立劇場2015/16シーズン
新制作『ウェルテル』(2016/4/3・6・9・13・16)によせて

−飯守泰次郎−

タイトル枠右

タイトル枠下
 

公演初日に楽屋でニコラ・ジョエル氏と
公演初日に楽屋でニコラ・ジョエル氏と(4/3撮影)

飯守泰次郎です。 新国立劇場の今シーズンの新制作『ウェルテル』が4/3に初日を迎えて上演中です。
私のオペラ芸術監督として2シーズン目の自主制作プロダクションであり、今後の新国のレパートリーとして皆様に愛され定着することを願っている演目です。

今回のプロダクションを演出したニコラ・ジョエル氏は、トゥールーズ・キャピトル劇場の芸術監督とパリ・オペラ座の総監督を務めた、フランスの重鎮です。
彼は、バイロイト音楽祭百年祭の『ニーベルングの指環』(1976年から1980年)で、私がピエール・ブーレーズの助手を務めた当時、演出のシェローの助手を務めていました。長い時を経て、今回の『ウェルテル』で再会することができ、大変嬉しく思っています。

指揮者エマニュエル・プラッソン氏は、骨折により残念ながら降板された父君のミシェル・プラッソン氏に代わり、フランス・オペラの粋といえるマスネのオーケストレーションを、美しく響かせてくださっています。

歌手陣は、ウェルテル役のディミトリー・コルチャック氏、シャルロット役のエレーナ・マクシモワ氏をはじめ、アルベール役のアドリアン・エレート氏、ソフィー役の砂川涼子氏、という大変優れた歌手が勢揃いしています。

バイロイト時代のプログラム(1979年)音楽助手・演出助手プロフィールのページから〜ちょうど私の右隣がジョエル氏
バイロイト時代のプログラム(1979年)音楽助手・演出助手プロフィールのページから〜ちょうど私の右隣がジョエル氏

私は、新国立劇場の毎シーズンの演目を考える際、国あるいは民族のバランスを大切にしています。イタリア・オペラとドイツ・オペラが多くなるのは当然ですが、フランスやロシア、スラブなどの作品の中で、上演機会の少ない優れた作品もご覧いただきたいのです。
『ウェルテル』は新国では10年以上前に上演して以来であり、ぜひ今回の新たに制作した美しいプロダクションでお楽しみいただきたいと思います。

『ウェルテル』は残すところ3公演、4/9(土)、13(水)、16(土)です。若い方々には優待プラン(「U25優待メンバーズ」、「U39オペラ優待メンバーズ」)があり、他にも当日学生割引など各種の割引サーヴィスもございます。 新国立劇場へのご来場を心よりお待ちしております。

 
飯守泰次郎

 
 
− 当サイト掲載情報の無断転載を禁じます −
(c) Taijiro Iimori All Rights Reserved.