メッセージ:2018年10月〜12月  

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仙台フィルハーモニー管弦楽団
第九特別定期演奏会(2018/12/22,23)によせて

−飯守泰次郎−

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本番前日の仙台フィルとのリハーサルから<br>
写真提供:仙台フィルハーモニー管弦楽団
本番前日の仙台フィルとのリハーサルから
写真提供:仙台フィルハーモニー管弦楽団

飯守泰次郎です。12/22,23の仙台フィルの「名曲コレクション 第九特別演奏会」に向けて、昨夜は大詰めのリハーサルでした。

「仙台フィルと第九をうたう合唱団」は、合唱指揮の佐藤淳一さんのご指導でもう夏から練習を始め、先月からは私ともリハーサルを積み重ねてきました。常盤木学園高等学校音楽科の1年生、2年生、そして宮城学院女子大学音楽科の有志の皆さんも加わって、いよいよ本日本番を迎えます。

仙台フィルの常任指揮者に就任するにあたり私は、ベートーヴェンを中心としたレパートリーに取り組むことを大きな柱としています。4月の就任以来これまで、交響曲第2番、第3番「英雄」、ピアノ協奏曲第3番ハ短調を演奏し、今回の第九、そして来年以降も第5番「運命」、第6番「田園」、第8番と取り組んでまいります。

第九交響曲は、欧米では特別な機会に演奏される、祭典的で深い内容を持つ作品とされています。一方、日本では年末に数多く演奏される独特の慣習がすっかり定着し、多くの方が第九を聴きにきてくださるのは大変嬉しいことです。仙台フィルとのベートヴェンへの継続的な取り組みの中で、若々しいエネルギーと好奇心、高い集中力を発揮する楽員の皆さんと共に、この名曲にいっそう新鮮な気持ちで取り組んでおります。
ソプラノの澤畑恵美さん、メゾソプラノの金子美香さん、テノールの片寄純也さん、バリトンの大沼徹さん、という大変豪華な歌手陣をお迎えできるのも大きな喜びです。

2014年に仙台フィルと共演した「第九」は、私が数多くの公演を指揮してきた中でも、特に忘れがたい演奏のひとつで、お客様がとても喜んでくださったことが印象に残っています。交響曲の分野で人間の声を初めてとりいれた「第九」は、当時としては型破りの作品で、愛と平和へと進んでいく勇気、力強い呼びかけが込められています。本番は12/22、23の2公演ございます。仙台銀行ホール イズミティ21 大ホールで皆様のお越しをお待ちしております。

本番前夜のリハーサル
本番前夜のリハーサル
写真提供:仙台フィルハーモニー管弦楽団



飯守泰次郎

 

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関西フィル 第九特別演奏会(2018/12/15)によせて

−飯守泰次郎−

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12/15終演後に、ソリストとコンマス岩谷さんと
12/15終演後、二塚直紀さん(テノール)、小泉詠子さん(アルト)、 石橋栄実さん(ソプラノ)、大沼徹さん(バリトン)、コンサートマスター岩谷祐之さんと

飯守泰次郎です。12/15はザ・シンフォニーホールで関西フィルの「第九特別演奏会」を指揮します。

関西フィルのこの第九特別演奏会は、もう長年、田辺第九合唱団との共演が続いています。私も、関西フィルの常任指揮者時代にこの「第九特別演奏会」を計8回指揮してまいりましたが、 今回は2010年以来、大変久し振りに田辺第九合唱団の皆様とご一緒できてとても嬉しく思います。

先週12/8に合唱団の地元の紀伊田辺で演奏会をしてきました。12/15のザ・シンフォニーホールでの公演チケットはだいぶ前に完売しているとのことで、満員のお客様をお迎えできることを大変楽しみにしております。ザ・シンフォニーホールで皆様をお待ちしております。

コンマス岩谷さんと
いつも支えてくださるコンサートマスター岩谷祐之さんと



■番外編:大阪もすっかりクリスマスの雰囲気、ホテルのロビーに並んだチャリティー用の400本のシュトレン!奥まで延々並んで圧巻でした。
 
 
 

飯守泰次郎

 

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東京交響楽団第111回新潟定期演奏会(2018/12/2)によせて

−飯守泰次郎−

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りゅーとぴあの舞台を埋めつくすワーグナーの大編成オーケストラ
りゅーとぴあの舞台を埋めつくすワーグナーの大編成オーケストラ

飯守泰次郎です。12/2は東京交響楽団の新潟定期演奏会です。
プログラムの前半はシューマンのチェロ協奏曲で、ウェンシン・ヤン氏と初めて共演します。フレキシブルで豊かな音楽性と余裕をそなえたチェリストで、オーケストラとのアンサンブルを心から楽しんでいることが感じられ、この名曲をご一緒できることを私も嬉しく思います。

そして後半はワーグナーの後期作品である楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲、中期の楽劇『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と“愛の死”、初期の歌劇『タンホイザー』序曲(ドレスデン版)というプログラムです。
東京交響楽団とは今年の2月にミューザ川崎「名曲全集」でもワーグナーの『ニーベルングの指環』から管弦楽の名曲を取り上げたほか、5〜6月には新国立劇場『フィデリオ』のピットにも一緒に入り、素晴らしい演奏で私を支えてくださいました。 今回は『指環』以外のワーグナーの作品を組み合わせてお届けします。

素晴らしいチェリストのウェンシン・ヤン氏と本番前の楽屋で
素晴らしいチェリストのウェンシン・ヤン氏と本番前の楽屋で

ワーグナーの作品の中でも特に、やはり『トリスタンとイゾルデ』はひときわ特別な作品で、人間の内面そのものを扱っている音楽であり、西洋音楽のみならず文学、絵画など当時のすべての芸術分野に巨大な影響を与えました。ワーグナーの楽劇においては、「示導動機」をオーケストラの奏者が良く理解して演奏することが不可欠です。さまざまな愛の局面を象徴する『トリスタンとイゾルデ』の数々のライトモティーフを、単なるテーマではなく理念として、意志を持って演奏し、お客様に音楽の内容をお伝えしたい、と願ってリハーサルをしております。

今回の会場「りゅーとぴあ」(新潟市民芸術文化会館)で演奏するのは私は初めてで、信濃川のほとりの大変美しいホールです。ご来場を心よりお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団第323回定期演奏会によせて
−飯守泰次郎−

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仙台フィル第323回定期11/23舞台写真
11/23の本番から(コンサートマスター 西本幸弘氏) 写真提供:仙台フィルハーモニー管弦楽団
 

飯守泰次郎です。 11/23、24は、仙台フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会です。

プログラムの前半は、常任指揮者として継続的に取り組んでいるベートーヴェンで、今回はピアノ協奏曲第3番ハ短調です。ソリストには、この作品にふさわしい頼もしいヴェテランである田村響さんをお迎えでき、とても嬉しく思います。

後半は、私が特別な愛着を持っている作曲家であるドヴォルジャークの、交響曲第9番「新世界より」です。 「新世界」は名曲中の名曲で、私もこれまで何回指揮したか思い出すこともできないほどですが、それでも毎回何かしら新たに気づかされることがあり、決して全く同じ演奏にはならないのです。今回も私なりに考え抜いた結果、少し新しいチャレンジをいたします。コンサート開演前のプレトークで簡単にご説明いたしますので、お時間の許す方はぜひお聞きいただければと思います。

大入り袋を片手に
大入り袋を片手に
23日、24日の両日とも全席完売とのことで、満員のお客様をお迎えして演奏できるということは、演奏家としてこんなに嬉しいことはありません。指揮者は客席に背中を向けてはいますが、お客様の雰囲気というのはひしひしと伝わってくるものなのです。本番が大変楽しみです。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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コンサート復帰のご報告

−飯守泰次郎−

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東京シティ・フィル・コーアとのリハーサル
10/14本番復帰の楽屋にて

飯守泰次郎です。このたびは公演降板で皆様に大変ご心配をおかけしました。私自身も、楽しみにしていたコンサートを指揮できなかったことは本当に残念でならず、改めて心からのお詫びとともに、ここで経緯を皆様にご報告したいと思います。

実は昨年、新国立劇場『ニーベルングの指環』の『ジークフリート』あたりから腰の調子を崩し、なんとか頑張ってきましたが、この8月末日をもって第6代オペラ芸術監督の任期を満了して退任し、ほっとする間もなく腰がついに音を上げてしまいました。

新国立劇場では、ちょうど4年前の任期最初の開幕公演『パルジファル』から今年5〜6月の『フィデリオ』まで、ワーグナー作品7演目、ベートーヴェン1演目、合計で全39公演を、中2日または中3日という日程で指揮してまいりました。
特にワーグナーの『ニーベルングの指環』の指揮は、スポーツにたとえるとフルマラソンにも匹敵する過酷なもので、まさにアスリート並みの体力を要求されます。77歳での『リング』4演目24公演完走は、少し体にこたえたようです。

そこへ、任期最後の指揮となった『フィデリオ』が4階建ての巨大な舞台装置で、地下1階のオーケストラピットから最上階で歌っている歌手を見上げながら、高度差や奥行を考えてアンサンブルを作り上げて指揮する、というアクロバット的な公演になりました。スタッフからも「首がむち打ちになるのでは」と心配されましたが、私の場合は腰に来たようです。あとでMRIの写真を比べてみると、腰椎の状況が『フィデリオ』の前後で激変していました。

ご縁に恵まれ、脊椎の権威でいらっしゃる慶應義塾大学病院の松本守雄教授が手術を執刀してくださいました。先生の、柔らかい物腰の中にも確信に満ちた説明を聞き、私も絶対大丈夫と信頼してお任せすることができました。お蔭様で、昨日10/14のティアラこうとう「オーケストラ with バレエ」公演で、コンサートに復帰することができました。 こうして皆様とコンサートホールでお会いできることの喜びを、改めて深くかみしめております。
ご心配くださった皆様、応援しお見舞いくださったすべての皆様、どうもありがとうございました。心より感謝いたします。

 

飯守泰次郎

 
 
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