メッセージ:2020年7月〜9月  

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80歳になりました!(2020年9月)

−飯守泰次郎−

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80歳の誕生日は秋晴れの素晴らしいお天気になりました
80歳の誕生日は秋晴れの素晴らしいお天気になりました
 

普段はクールなマネージャーから
ミッキーマウスとミニーマウスのお祝いが届きました
普段はクールなマネージャーから ミッキーマウスとミニーマウスのお祝いが届きました
 

齋藤秀雄先生と(1960年頃)
桐朋時代 齋藤秀雄先生と(1960年頃)

飯守泰次郎です。おかげさまで本日、80歳の誕生日を無事迎えることができました。こんな高齢は私も生まれて初めてなので、驚いています。

80歳になって現役で仕事を続けられるのも、コンサートにいらしてくださり温かく応援してくださる皆様、共に演奏してくださる演奏家の皆様、そして影ひなたで支えてくださるすべての皆様の熱意あってのことで、改めて深く感謝し御礼を申し上げます。


桐朋時代(1960年頃)
桐朋時代(1960年頃)

桐朋のピアノ科で学んでいた高校生のとき、齋藤秀雄先生に「絶対音感があって初見が上手いから指揮者に向いている」と勧められてこの道を志しましたが、藤原歌劇団で練習ピアニストを務めたことから思いがけずプッチーニのオペラでデビューし、オペラの世界にのめり込みました。

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フリーデリンド・ワーグナー(右)と(1967年頃)
フリーデリンド・ワーグナー(右)と
中央はソプラノのハンナ・ローレ・クーゼ氏(1967年頃)

ニューヨークでワーグナーの孫フリーデリンド・ワーグナーに出会ったことがきっかけで、約四半世紀にわたりバイロイト音楽祭が私の夏の仕事場となりました。

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私は自分で道を切り拓いたというより、いつも不思議な運命や偶然の出会いに恵まれて進むべき道を開かれたと感じており、本当に幸せなことだと感謝しています。

ハリー・クプファー氏と
新国立劇場『パルジファル』の演出家 
ハリー・クプファー氏と(2014年)

70代になって少し時間的に余裕ができるかと思った矢先、新国立劇場のオペラ芸術監督という激務を引き受けることとなり、芸術参与の2年間を含めた6年間は想像を絶する忙しさで、よくも乗り切れたものだと思います。

新国立劇場オペラ芸術監督の任期4シーズンで指揮した8演目のうち7演目がワーグナー作品で、最後はベートーヴェンの『フィデリオ』で締めくくりました。これからも、ライフワークであるワーグナー作品を中心に、演奏をさらに深めていきたいと思います。


年齢を重ねるにつれて、スコアの勉強に前よりも時間がかかりますが、時間がかかる分、以前は見落としていたことに気づけるようになり、発見は尽きることがありません。
80歳になっても、 さらにより良い音楽を皆さまにお届けしたいと思っております。どうか、これからもよろしくお願いいたします。

新国立劇場『フィデリオ』千穐楽のソロカーテンコール
新国立劇場『フィデリオ』千穐楽ソロ・カーテンコール
(2018/6/2 写真提供:新国立劇場)

カタリーナ・ワーグナー氏と
仙台フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 (2018/11/24
写真提供:仙台フィルハーモニー管弦楽団)


新国立劇場『ワルキューレ』終演後
新国立劇場『ワルキューレ』終演後(2016年10月)〜来年2021年3月の再演も指揮する予定です

 
 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団
第339回定期演奏会(2020/9/18、19) によせて

−飯守泰次郎−

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ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番で共演した野平一郎氏と
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番で共演した野平一郎氏と
 

サプライズの花束を頂いて〜コンサートマスターの神谷未穂さん、西本幸弘さんと
サプライズの花束を手に、神谷未穂さん、西本幸弘さんの両コンサートマスターと
 


飯守泰次郎です。仙台フィルの定期演奏会(9/18,19 日立システムズホール仙台)を指揮するために、約半年ぶりに仙台に滞在しております。 この定期演奏会は2公演とも全席完売とのことで、お客様のご期待の高さを実感しております。

プログラムの前半は、本来6月の定期演奏会を指揮していただく予定だった野平一郎氏をソリストにお迎えし、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番ト長調を演奏いたします。
野平氏は、独奏はもちろん、室内楽や伴奏者としても引く手あまたのピアニストであるだけなく、作曲家、さらに指揮者として、色々な分野で大変ご活躍なさっています。このたび ベートーヴェンのコンチェルトでの共演がかない、私も大変楽しみにしております。

プログラムの後半は、5月の定期演奏会で指揮するはずだったベートーヴェンの交響曲第7番を演奏します。

仙台フィルの常任指揮者に就任以来、ベートーヴェンの音楽の内容の深さと価値を仙台フィルとともに掘り下げることを大きな柱として、交響曲の第2、3、5、6、8、9番を共に演奏してきました。 第7番という特別な魅力を持つ作品を仙台フィルと演奏するにあたっての思いは、4月に仙台フィルのホームページに寄せたメッセージでお伝えしたとおりです。ようやく、仙台フィルとともにお客様をお迎えして演奏できることを心より嬉しく思います。

今回の演奏会に向けたリハーサルの際、私が指揮台に立つなり、団員のみなさんがハッピーバースデーを弾き始め、大変驚きました! 素敵な花束までいただき、一足早くサプライズで80歳を祝ってくださって本当に感謝しております。 コロナ禍の中、さまざまな困難がありますが、親密で温かな空気あふれる仙台フィルの皆さんと一緒に乗り越えて、素晴らしいコンサートにしたいと思っております。

飯守泰次郎

 

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おおた芸術学校付属オーケストラ「ジュネス」 特別練習会(2020年8月)
−飯守泰次郎−

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太田市民会館で集中練習
素晴らしい音響の太田市民会館で集中練習
 


飯守泰次郎です。毎年、夏のお盆の時期には群馬県太田市で開催される「ぐんまアマチュアオーケストラフェスティバル」で指揮をしてきました。今年もサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」を演奏することがきまっていましたが、コロナ禍により、大変残念ながら開催できなくなりました。 今年は、このサマーフェスティバルの中心となっているおおた芸術学校の付属オーケストラ「ジュネス」の皆さんを対象に、非公開の「特別練習会」として、例年より短い時間に凝縮して指導することになりました。

「おおた芸術学校」は、オーケストラだけでなく、合唱、演劇まで幅広い分野で、本当の基礎をすべての子どもに伝える教育が自由な雰囲気の中で実現している、非常にユニークな組織です。大都市ではない地方都市で、自治体独自のこれほどまでにクリエイティブで充実した芸術教育が発展している例はほかにないのではないでしょうか。
ヨーロッパやスラヴ系諸国では、大都市以上に地方に音楽が息づいています。日本はどうしても大都市偏重の傾向から抜け切れていない中で、清水聖義市長は長い視野で将来を見通して子供たちの教育を重視し、芸術文化およびスポーツの発展に大変情熱を注いでおられます。
おおた芸術学校の優れた実績は大きな注目を集め、同様な組織を作る後続の自治体も出てきています。

太田市は厳しい暑さでも知られており、近年はフェスティバルの時期になると40度近い気温が続きます。 満州生まれで寒さには強くても暑さが苦手な私にとっては厳しい気候条件ですが、それでも子どもたちの毎年のめざましい成長が楽しく、気付けば約20年にわたって毎夏このサマーフェスティバルを指揮してきました。

例年ならば優秀な講師陣が演奏に加わって皆さんを導いてくださっていたところを、今年は弦のトップを始めほぼ子どもたちだけでオーケストラを構成しています。これまでのサマーフェスティバルではベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルジャーク、ショスタコーヴィチの交響曲、バルトーク、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」“前奏曲と愛の死”に至るまで、演奏に際して精神的な成熟が求められる作品も数多く演奏してきましたが、そのたびに子どもたちの理解力、想像力が非常に素晴らしいことに驚かされてきました。

今回のサン=サーンス「オルガン付」も、練習してきた通りに自分のパートだけをただ必死に演奏するのではなく、周囲の音に耳を澄まして聴きあい、一緒に音を出すことなどを繰り返し練習しています。

オーケストラでひとつの場を共有し一緒に演奏することの喜びは、コロナ禍でより一層の重みをもっています。 子どもたちを日頃から支えてくださるご家庭の皆様や事務局に見守られて、無観客であっても集中して一緒に音楽した体験は必ず皆さんの未来に繋がるのです。 短い期間ではありますが、大きく成長した演奏をしてくれることを期待しています。

飯守泰次郎

 

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フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2020
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(8/7)によせて
−飯守泰次郎−

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コンマス戸澤哲夫さん、音楽ジャーナリスト池田卓夫さんと
コンサートマスターの戸澤哲夫さん、プレトーク担当の音楽ジャーナリスト池田卓夫さんと
 

リハーサルの様子
リハーサルの様子
 

飯守泰次郎です。 8/7は、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催中の「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2020」に東京シティ・フィルと共に出演致します。

このコロナ禍の中、当初予定のブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」をお聴きいただけることを大変嬉しく思っております。ミューザ川崎シンフォニーホールとオーケストラの事務局、ステージ・スタッフはじめ、 この公演を実現するために献身的に尽力してくださる皆様に深く感謝しております。
私と東京シティ・フィルが長く積み重ねて培ってきたレパートリーの中でも、ブルックナーは大きな柱のひとつです。特にこの第4番は、私と東京シティ・フィルの数多いディスコグラフィーの最初のCDとなったレパートリーであり、年月を経ていま新鮮な気持ちでこの名曲に共に取り組めること幸せに思います。

プログラムの前半は、ワーグナーの「タンホイザー」序曲です。ブルックナーと並んで大きなオーケストラ編成を必要とするワーグナーは、もうしばらく演奏されていないのではないでしょうか。 日本国内だけでなく今年は、第二次世界大戦による中断を除けば毎年開催されてきたバイロイト音楽祭も中止となりました。再びワーグナーが各地で上演される日が戻ってくることを祈りながら、演奏したいと思います。

このコンサートはすでに全席完売とのことで、明日ミューザ川崎シンフォニーホールにお越しくださるすべてのお客様に御礼を申し上げます。 ホールにお越しにならないお客様も、ぜひオンライン鑑賞券でお楽しみいただければと思います。

飯守泰次郎

 

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大阪フィルハーモニー交響楽団第540回定期演奏会(2020/7/22、23)に向けて

−飯守泰次郎−

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コンマス須山暢大さん、チェロトップ花崎薫さんと
終演後に大阪フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターの須山暢大さん、チェロトップの花崎薫さんと
(写真提供:大阪フィルハーモニー交響楽団)
 

リハーサルの様子
リハーサルの様子
 

飯守泰次郎です。このホームページのNEWSですでにお知らせした通り、大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会(7/22、23フェスティバルホール)を指揮することになり、連日大阪でリハーサル中です。

プログラムは、モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」とブルックナーの交響曲第6番イ長調です。ブルックナーの交響曲の前にモーツァルト、という組み合わせは、最も相性のよい組み合わせだと思います。

ブルックナーの交響曲というと「ロマンティック」、5番、7番、8番、9番などが特に人気があり、6番は演奏機会が少ないのですが、ブルックナーの様々な魅力が美しい織物のようにお楽しみいただける素晴らしい作品です。
イ長調で、第1楽章のテーマは長調と短調がまざって哀愁を帯びており、楽しげな狩を思わせる楽想にもどこか憂愁が感じられますが、フィナーレは堂々とポジティブに締めくくられます。

大阪フィルとは近年もベートーヴェンの交響曲などでご一緒していますが、定期演奏会、しかもブルックナーで共演するのは初めてです。
感染症対策が求められる現在、ブルックナーにふさわしい大編成のオーケストラが実現できるのはフェスティバルホールの舞台に十分な広さがあるおかげです。弦楽器は1人1台の譜面台で、本来であれば2人で1つの譜面台を共有してプルトのアンサンブルを構成する2人組の間の距離が遠くなり、管楽器もスペースを広めに取っているため、従来とは異なる感覚にも慣れる必要があります。

ブルックナーの交響曲の醍醐味の1つは、オーケストラが1つの巨大なオルガンであるかのように1つの楽器として一体化する響きであり、フェスティバルホールでこの新しい設置で良い響きを出せるよう、大阪フィルの皆さんとともに力を尽くしています。

フェスティバルホールで、皆様のお越しをお待ちしております。

飯守泰次郎

 

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「瞬間の顔」〜山岸伸さんとの写真撮影

−飯守泰次郎−

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山岸伸さんと
「瞬間の顔」撮影を終えて 山岸伸さんと
 

なごやかな撮影風景
なごやかな撮影風景
 

飯守泰次郎です。 カメラマンの山岸伸氏に撮影していただいた私の写真が展示される 「山岸 伸 写真展『瞬間の顔 Vol. 12』」が、間もなくオリンパスギャラリー東京で、続いてオリンパスギャラリー大阪で開催されます。

山岸さんは、写真家として大変ご活躍されていらっしゃいますが、本当に気さくなお人柄です。 この撮影の時が初対面だったにも関わらず、雑談を交えながら非常にリラックスした雰囲気で撮ってくださいました。

写真撮影となると撮られる側の私もどうしても身構えてしまいがちですが、山岸さんとの撮影ではそのようなことがなく、自然な表情の写真を撮ってくださいました。 そのうちの2枚をこのホームページのトップでも先日のリニューアルから使わせていただいていますが、写真展という特別な空間でご覧いただくことで、山岸さんの写真の魅力をよりお感じいただけるのではないかと思います。 ぜひ会場に足をお運びいただければと思います。

飯守泰次郎

 
 
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