メッセージ:2021年7月〜9月  

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81歳の誕生日を迎えました(2021年9月)

−飯守泰次郎−

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カフェ
81歳になりました
 

テラス、書庫
写真左:テラスにて / 写真右:書庫はまだ引っ越し中です
 

薪ストーヴ用の薪の山です
「ラインの河辺に薪を積み上げて」…ではなく、薪ストーヴ用に丸太を割っていただきました
 

飯守泰次郎です。 おかげさまで本日、無事に81歳の誕生日を迎えることができました。いつも応援し支えてくださる皆様、共に音楽を作ってくださる演奏家の皆様、このページをご覧くださるすべての皆様に、心から御礼を申し上げます。

節目の80歳を迎えた今年の夏から、東京と八ヶ岳の2拠点生活を始めました。以前からこのホームページにも時々登場していた八ヶ岳の小屋は、階段が急で動きづらく感じられてきたこともあり、今回はバリアフリーで、東京の自宅に溢れている楽譜やCDも収めることができる書庫のある家を建てました。
東京と八ヶ岳は車で2時間ちょっとで行き来でき、リモートワークで2拠点生活あるいは移住してくる方々もさらに増えています。

八ヶ岳の麓の気候や自然豊かな住環境は、かつて暮らしていたヨーロッパとよく似ています。きれいな空気の中で、さえずる鳥たちの姿を探しながら林を散歩し、近くの畑で豊かに収穫される新鮮な季節の野菜や地元の食材で心身を養うことができ、じつに健康的な生活です。

81歳を迎えて現役で仕事を続けられていることに、感謝の念を新たにしております。時々、「指揮をしているとき若返っているように見える」と言われることがあって驚くのですが、もしもそう見えるとしたら、それは音楽を通して作曲家からエネルギーを与えられているからです。そのエネルギーを聴衆の皆様にお伝えすることこそ、いままでもこれからも私の喜びです。このホームページのConcertコーナーもご覧いただき、ぜひホールにお越しくださいますよう、心よりお待ちしております。
 

散歩道からの富士山の夕景
散歩道からの富士山の夕景
 

飯守泰次郎

 

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東京シティ・フィルのクラウンドファンディングによせて
(2021年9月)

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が8/23〜10/21の期間、「苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に」と題してクラウドファンディングを実施中です。
おかげさまで期間半ばで第一目標額を達成でき、ご支援くださる皆様に深く御礼を申し上げます。引き続き NEXT GOAL 2000万円を目標として継続するにあたり、私もメッセージを寄せましたので、ホームページをご覧いただく皆様にもすぐお読みいただけるよう以下に掲載いたします。

***
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎です。このたび、東京シティ・フィル「苦境を乗り越え音楽を愛する皆様と共に」クラウドファンディングに、開始早々より多くのご支援をいただき、心よりお礼申し上げます。

世界中のオーケストラ、オペラハウスが長期にわたり活動を厳しく制約されている中でも特に、自主運営である東京シティ・フィルは大変な苦境に追い込まれておりますが、たゆまず精力的に演奏を続けております。
本年5月16日には、私の傘寿を記念する特別公演としてコロナ禍以前から企画されていたワーグナー『ニーベルングの指環』ハイライトを、数々の困難を乗り越えて実現にこぎつけました。世界最高のワーグナー歌手陣を招聘し、販売可能な座席はすべて完売、という熱気に包まれて開催できたこの公演は、まさに東京シティ・フィルのエネルギーが呼び起こした奇跡でした。

約四半世紀前に東京シティ・フィルに出会って以来、私自身このオーケストラに魅了され、以降長く共に歩んでまいりました。先日発売のCD「ブルックナー交響曲選集」12月から始まる「シューマン交響曲ツィクルス」で、ぜひ私たちが積み重ねてきた音楽を聴いていただき、これからも皆様と共に、聴く側も演奏する側も一体となって、自分の感覚を信じ自由に音楽を体験できることを常に願っております。皆様のより一層のご支援を、心よりお願い申し上げます。

桂冠名誉指揮者 飯守泰次郎
***
 

飯守泰次郎

 

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桐朋学園宗次ホール オープニング・コンサート・シリーズ初日
桐朋学園オーケストラ公演(2021/9/8)を終えて

−飯守泰次郎−

 

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終演後に梅津学長、宗次様、小川恭子さん、秋山和慶君と
左から 梅津時比古学長、宗次徳二氏、小川恭子さん、私、秋山和慶くん
 

リハーサル
リハーサル後に写真撮影
 


飯守泰次郎です。昨日9月8日は、桐朋学園宗次ホールのオープニング・コンサート・シリーズ「桐朋学園オーケストラ公演」に出演いたしました。

オープニング・セレモニーの後、モーツァルトのディヴェルティメント K.136を私が指揮し、続いて、秋山和慶くんの指揮、小川恭子さんの独奏でメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調が演奏されました。

桐朋学園音楽科はこれまで、学内にホールがありませんでした。このたび、梅津時比古学長を始めとする学校の熱意に応えて、宗次徳二氏が多大なご支援をしてくださり、ついに悲願のホールが完成したのです。世界的建築家の隈研吾氏設計による、木を使った美しいホールで、客席は234席ながら舞台は広く、フル・オーケストラが乗ることができます。

「伝統と革新〜音と共に 木と友に〜」と題されたこのオープニング・シリーズは、昨今の感染状況のため当面は関係者のみのクローズド公演となるとのことで、ホールの詳細等はこちらの桐朋学園のHPでご覧いただければと思います。

同期の秋山くんと一緒に、この記念すべきお祝いのコンサートで演奏できて、とても嬉しく思いました。私たちも、ここで勉強していた頃は、今回のオーケストラの皆さんと同じような年頃でしたが、いまや二人合わせて160歳!です。これからさらに新しい世代の音楽家の皆さんが、このホールから育っていくことでしょう。

 

飯守泰次郎

 

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東海市芸術劇場
名フィル「第九」特別公演(2021/7/25)によせて

−飯守泰次郎−

 

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終演後に声楽陣と
終演後に 左から 与那城敬さん、池田香織さん、私の右が田崎尚美さん、宮里直樹さん、合唱指揮の横田琢哉さん
 


飯守泰次郎です。本日7/25は愛知県の東海市芸術劇場で、名古屋フィルハーモニー交響楽団の「第九」特別公演を指揮いたします。 これは、昨年3月に東海市制50周年およびベートーヴェン生誕250年を記念して開催される予定だった公演が中止になり、1年以上を経てようやく改めて実現にこぎつけたコンサートです。

曲目はベートーヴェンの序曲「レオノーレ」第3番と、交響曲第9番です。第九のソリストは、田崎尚美さん、池田香織さん、宮里直樹さん、与那城敬さん、と大変豪華な方々をお迎えします。合唱は、この東海市芸術劇場を本拠地にしている東海市民合唱団(合唱指揮は横山琢哉さん)です。

名古屋フィルは私が以前に常任指揮者を務めたオーケストラで、その後も定期的にご一緒してまいりました。今回、久し振りの共演がかない、とても楽しみにしております。

東海市芸術劇場大ホールは、内装に木がふんだんに使われた大変立派で美しいホールで、名鉄太田川駅に直結しており、猛暑の中でも駅から外に出ることなくお越しいただけます。ぜひ、みなさまのお越しをお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 

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読売日本交響楽団第610回定期演奏会(2021/7/21)によせて

−飯守泰次郎−

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左手をあげて
(C)読売日本交響楽団
 

微笑しながら
(C)読売日本交響楽団
 

カーテンコール
(C)読売日本交響楽団
 

ソロ・カーテンコール
(C)読売日本交響楽団
 


飯守泰次郎です。 本日7/21はサントリーホールで、読売日本交響楽団の定期演奏会を指揮いたします。 モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」と、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」という、古典派と後期ロマン派のコントラストが鮮やかなプログラムです。

作曲家の人格の中に隠された何かがあり、本人も意識しない深い奥底で素晴らしい創造を生み出す、という点において、モーツァルトとブルックナーは共通するところがある、という気がすることがあります。
モーツァルトは、他愛ないおしゃべりをして笑ったり、飲食さえしながらサラサラと、崇高な音楽を書いたことが知られていて、まさに神から与えられた天才です。
ブルックナーは、素朴な人柄で、言動に思慮深さを欠き、俗世間でうまく振る舞えなかったエピソードの数々が伝えられています。巨大で深遠な交響曲の内容とそれらのエピソードがかけ離れている一方、信仰厚いブルックナーは生涯にわたって神と深く結びついていました。
作曲家の無意識の奥底に本能的で人間的な発想が息づいて生まれたかのような名曲は、まさに奇跡です。

「ハフナー」も「ロマンティック」も、私も何度も指揮してきた作品ではありますが、80歳を過ぎても常に、創造的な批判精神をもって自分の音楽を発展させていきたい、前よりもっと深くありたい、と思っています。偉大な作品に、今回改めて非常に新鮮な気持ちで臨んでおります。

読売日本交響楽団とは、もう50年を超える大変長いお付き合いになります。近年も「名曲シリーズ」や新国立劇場『神々の黄昏』でご一緒しているので、今回「46年ぶりに定期演奏会登場」といわれて私の方が驚きました。「定期演奏会」と銘打たれたコンサートに出演するのが1974年以来、ということだそうです。
読響は重厚でパワフルで、輝かしい響きを持つ素晴らしいオーケストラです。ブルックナーの演奏経験も豊富で各セクションが一致団結しており、表現に余裕があります。 2人の作曲家がスコアに記した音楽を、それぞれの様式感をふまえてお伝えできるよう、猛暑の中、連日リハーサルを重ねました。

緊急事態宣言発令下の東京で、このような王道ともいえるプログラムのコンサートを開けることに心から感謝し、サントリーホールで、みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

 

飯守泰次郎

 
 
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