メッセージ:2021年10月〜12月  

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第347回定期演奏会
〜シューマン交響曲全曲演奏シリーズI(2021/12/9)〜によせて

−飯守泰次郎−

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シューマン交響曲第2番のリハーサル
シューマン 交響曲第2番のリハーサル

飯守泰次郎です。12/9は東京シティ・フィルの定期演奏会で、「シューマン交響曲全曲演奏シリーズ」の第1回として、交響曲第1番変ロ長調と第2番ハ長調を指揮いたします(シリーズ第2回は来年6/11で、交響曲第3番と第4番を演奏します)。

シューマンという作曲家は、本質的にはシンフォニックというよりは、デリケートでリリックなピアノ曲と歌曲の作曲家でした。しかし彼は、ハイドン、モーツァルトからベートーヴェンが作り上げたドイツの交響曲の伝統を受け継がなければならないという、憑かれたような責任感で、必ずしも得意な分野ではなかった交響曲に取り組み、4つの交響曲を残しました。
その4曲は、楽器法や楽曲の構成において弱い部分がある、といわれながらも、音楽的な発想は実に素晴らしく、一種の奇跡のような作品なのです。

東京シティ・フィルと私は以前にも、シューマンの交響曲に取り組んだことがありますが、交響曲2曲のみ、という集中したプログラムは初めてです。今年5月に私の傘寿公演で素晴らしい演奏をしてくれたときと同じく、私と一緒に音楽することを楽しみ、コンサートマスターの戸澤さんを中心に集中して演奏してくれていますので、コンサートがとても楽しみです。
シューマン独特のパーソナルな歌が溢れ、ドイツ的なシンフォニックな伝統への愛着がそこここに表れている2曲を、深く味わっていただけるコンサートにしたいと思います。皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
 

飯守泰次郎

 

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愛知県立芸術大学管弦楽団第32回定期演奏会(2021/11/26)を終えて

−飯守泰次郎−

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飯守泰次郎です。 先月来、公演降板で皆様に大変ご心配をおかけしました。昨日11/26の愛知県立芸術大学管弦楽団第32回定期演奏会(愛知県芸術劇場コンサートホール)で、コンサート前半の2曲(ワーグナーの『ローエングリン』第3幕への前奏曲とドヴォルジャークのチェロ協奏曲、チェロ独奏:クラウス・カンギーサー氏)を十束尚宏さんに指揮していただき、私はコンサートの後半3曲、ワーグナーの『タンホイザー』序曲、『トリスタンとイゾルデ』前奏曲と愛の死、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕の前奏曲を指揮いたしました。

愛知県立芸術大学管弦楽団とは、これまでもブラームスやブルックナーを演奏してきて、今回初めて一緒にワーグナーを演奏しました。練習を積むたびに毎回素晴らしく発展していく若々しい学生の皆さんとともに音楽のエネルギーを分かち合うことができ、私にとっても大変やりがいのあるコンサートでした。

名手揃いの先生方のご指導による、たしかな土台があってこそ、全席完売のお客様とともに熱気あふれるコンサートが実現できたと思います。 私をサポートしてくださった十束尚宏さん、愛知県立芸術大学の花崎薫さんを始めとする先生方、学生の皆さんに、心から御礼を申し上げます。 引き続き養生に努め、また各地のコンサートホールで皆様にお会いしたいと思います。
 

飯守泰次郎

 

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仙台フィルハーモニー管弦楽団 第349
回定期演奏会(2021/10/15,16)によせて
−飯守泰次郎−

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小井土文哉さんと
10/15 小井土文哉さんと
 

ブラームス ピアノ協奏曲第2番のステージリハーサル
ピアノ協奏曲第2番のステージリハーサル ピアノ独奏:小井土文哉さん(日立システムズホール仙台)
 

飯守泰次郎です。10月の15日と16日は仙台フィルの定期演奏会を指揮いたします。日立システムズホール仙台の改修工事が完了し、金曜日と土曜日の2回公演が戻ってまいりました。
今回はブラームスを集中してお楽しみいただけるプログラムで、コンサートの前半はソリストに小井土文哉さんをお迎えしてピアノ協奏曲第2番、後半は交響曲第2番を演奏いたします。

2018年に仙台フィルの常任指揮者に就任してから、ベートーヴェンの全交響曲を中心に、ロマン派以降の豊かな交響曲の歴史をともに歩み、現在はブラームスの全交響曲を順に取り上げております。
今回演奏する第2番は、もはや説明の必要もないほど人気のある名交響曲であり、第1番を書き上げて重圧から解放されたブラームスが、こんどは全曲のすべてが自然現象ともいえるような美しい音楽を書いたのです。

コンサートの前半に演奏するピアノ協奏曲第2番は、協奏曲とはいっても交響曲に匹敵する大規模な作品で、ソリストには超絶なヴィルトオーゾ的技巧が要求されます。ソリストの小井土さんは、この難曲を若々しく瑞々しいアプローチで演奏してくださっていますので、私もコンサートがとても楽しみです。

皆様のお越しを、秋の色が深まる森に近い日立システムズホールでお待ちしております。
 

飯守泰次郎

 
 
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